高崎グラフィティ

ある者は将来に疑問を持つことをせず、
また、ある者は不安と葛藤から目をそむける。
そんな中、一人の少女は
東京の地を見つめ希望を捨てることをしない。

やがてひとつの事件をきっかけに5人の日常が交差し、物語は動いていく。
果たして青春とは、何か?
それはきっと、ピンク色にキラキラと輝くだけのものではない。
青く鈍い灰色でもある。
もうあの頃には戻れない大人たちが地に足のつかない彼らの日常に輝きを見出し、青春と呼んでいるに過ぎないのかもしれない。
初の全編高崎ロケで撮影された川島直人監督の長編デビュー作は、鬱屈としてどこにもぶつけようのない10代だったあの頃の感覚をリアルに、繊細に、主人公5人の姿を介して描き出す。

堤幸彦(映像監督・演出家)、大根仁(演出家)、平川雄一朗(演出家)、小原信治(作家)ら気鋭のクリエイターを擁し、次々と話題作を生み出して来た映像制作会社オフィスクレッシェンドが、次代を担うクリエイターの発掘と育成を目指して創設した「未完成映画予告編大賞 MI-CAN」。ある地域(任意)を舞台に3分以内で制作された予告編を審査し、グランプリ作品には長編映画を制作するチャンスを与えるかつてない試みのコンテストだ。
その初代グランプリに輝いたのが本作「高崎グラフィティ。」である。撮影地に高崎を選んだ理由を監督は「応募した予告編では全体のストーリーはぼんやりとしか見えていなかったんです。ただ、都会の周縁部にいる若者たちの鬱屈した気持ちや、将来の見えない感じを描く上で、高崎という土地は自分の想像を包み込んでくれると思った。」と語る。

未完成映画予告編大賞 MI-CAN
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幼なじみ5人のうちの1人、“吉川美紀”(佐藤玲)は夢を追いかける少女。
上京し専門学校でファッションを学ぶことになっていた。
卒業式を終えて、美紀は自宅にかかってきた一本の電話に出る。
「入学金のお支払いがされておりませんが、いつ頃になりますでしょうか?」
父親は入学金を持って姿を消した。
繋がらない携帯電話。何もできない無力な自分自身。

その話を最初に打ち明けたのは、幼なじみの4人。
バイト先の店長でもある彼氏と、幸せな結婚生活を送ることを夢みる“大塚寛子”(岡野真也)。
父親の自動車修理工場を継ぐしかなく、将来に夢を持とうとしない“阿部優斗”(萩原利久)。
学歴を残すことが、大人として恥ずかしくない人生だと考えている。クラス一の秀才“河合康太”(三河悠冴)。
華やかな大学生活を夢見るクラス一のお調子者“関谷直樹”(中島広稀)。

足取りの掴めない父親を探すことになる5人。
見つからない父親、それぞれが突きつけられる現実と理想のギャップ。
新たな人生の一歩を踏み出すことへの希望と不安を抱えながらも彼らは何を思い、どこへ向かうのか____高校卒業からの2日間、物語は回りだす。

  • 美紀 佐藤玲

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  • 優斗 萩原利久

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  • 寛子 岡野真也

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  • 直樹 中島広稀

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  • 康太 三河悠冴

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  • 和樹 奥野瑛太

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  • カフェ店員 JOY

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  • 正晴 渋川清彦

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  • 中古車販売所社長 川瀬陽太

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  • 礼奈 佐藤優津季

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  • 香澄 冨手麻妙

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  • 太一 狩野健斗

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  • 浩二 山元 駿

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1990年生まれ。千葉県九十九里出身。日本大学芸術学部映画学科映像コース出身。Guns Rock Inc.所属。
2016年、短編映画「始まりの鐘をならせ」で FOX短編映画祭にて最優秀賞を獲得。エンターテイメントに徹した演出と「人に寄り添う」映像で多岐にわたり演出をする。

キャスト、スタッフ、協力してくれた高崎の方々一人一人の想いや熱量、そして高崎の空気を作品に込められたと思います。 必死にもがくメインキャストの5人を見ていると、大人でも子供でもないあの頃はかけがえのないものだと強く感じました。この映画にも振り返ればもっとこうしたかったという部分は腐る程あります。でもそれを糧にして、死ぬまで満足を追い求めて撮っていきます。登場人物が僕の友達の名前だったり、僕が経験したこと、したかったこと、知りたかったアイツ、知ろうとも思わなかったアイツのこと。そんなものが詰まっています。27才の僕の全てです。

高崎市正観寺町出身。2015年日本大学芸術学部映画学科撮影コースを卒業。撮影を担当した卒業制作の「始まりの鐘をならせ」(監督 川島直人)が各映画祭で入選、受賞を果たす。その後撮影会社104に入社。是枝裕和監督、河瀬直美監督作品で知られる撮影監督の山崎裕に師事し、現在はドキュメンタリー、映画、CMなど ジャンルレスに様々な作品の撮影を担当している。